2020年1月28日火曜日

SDGs de 地方創生

昨年(2019年)の12月に「SDGs2030」のゲームに参加する機会がありました。詳しくは以下のURL。
<https://tamiya-robotschool.com/blog/school/tokyo/codomo_higashisuna/9849>

SDGs関連のイベントが他にもないか探していたところ「SDGs de 地方創生」というものがあり、1月27日に参加してきましたので、レポートします。
※私も混同していましたが、「SDGs2030」と「SDGs de 地方創生」は、別団体での運営だそうです。

「SDGs2030」は、全世界を対象としていますが「SDGs de 地方創生」は、SDGsの枠組みの中で日本をターゲットとしているので、多少のバックボーンやルールが違いました。
とはいえ、同じゲーム開発会社がゲームデザインをしているので、大まかなルールは同じでしたので、先日の経験が多少は活かせたと思います。


■同じところ
  • 参加者全員で「まち」に住んでいる色々な立場のプレイヤーとなる。

(SDGs2030の場合は「国」レベルの枠ぐみで地球全体で考える。枠組みが違うだけで考え方は同じ)
  • 各プレイヤーごとに目標があり、その目標に向けて行動する。行動=プロジェクトの実行やお金や時間、資源の交換など。
  • プロジェクトの実行にはお金や時間・資源が必要
  • 現実世界で起きうる取引は可能。


■違うところ
  • SDGs2030は3つの指標:「経済」・「環境」・「社会」。SDGs de 地方創生は4つの指標:「人口」・「経済」・「環境」・「暮らし」
  • SDGs2030は「時間」カード、SDGs de 地方創生は「資源」カードがある。時間は、お金と同じく量で決まるが、資源は「学生」・「地方議員」・「大企業」など種類が多く、目的の資源を集めるのが大変。
  • SDGs2030は「意思」カードがある。SDGs de 地方創生は、該当する概念がない。
  • SDGs de 地方創生は、「行政」と「民間」の役割の差がある。初期状態では、行政に多額の資金があるところからスタートする。
  • SDGs2030は「前半」・「後半」の2ターン。SDGs de 地方創生は、4ターン
  • SDGs de 地方創生は、1ターンごとに人口が自動で1減る。日本の現状なので、人口減社会を表している。SDGs2030は、人口の指標がないので、同じような仕組みはない。SDGs2030で人口の指標を入れると逆に1または2増やす必要があり(世界的には人口は増え続けている)、人口を減らす(増やさない)というネガティブな面を考える必要がありゲームとして難しくなるので、無いのでしょう。
  • SDGs2030はプロジェクト実行時に指標の増減があらかじめ分かる。SDGs de 地方創生は、プロジェクトを実行しないと、指標がどう変化するか教えてもらえない。
  • SDGs de 地方創生は、毎ターン行政に予算が分配される。SDGs2030では、行政の概念がないので同じような仕組みはない。

大体こんなところでしょうか。SDGs de 地方創生は、より身近に感じられるテーマになっていますが、ゲームの難易度としては、高めだと思いました。高校生以上であれば良いですが、小・中学生には少し難しすぎる内容かな?

また、SDGs de 地方創生は、プロジェクト実行による影響があらかじめ分からないので、指標を増やすための周りとの協力が難しいと思いました。ただ、現実世界でも、これをやったらどうなるかは予想はできても、実際そうなるかは分からないので、その点は現実世界に近い仕組みだと思いました。



↑これが、初期の地域の状況メータです。
全て5で、最終的に5だと現状維持。減ると悪化。増えると良くなっていると見ます。ただし、行政としては、全て8にするのが目標です。※ただし環境は「現状維持=環境悪化」なので、必ずしも良いとは言えませんが。


これが、今回最初に配られたカードです。
まちの「建築業者」が自分の役割となります。そして、若者のために仕事を増やすため、「仕事と経済」のプロジェクトを5件以上実行するのが目標です。

初期の手札で思ったとことは、実行に2億必要なカードが2枚あるにもかかわらず、初期のお金は1000万と、普通に考えて、無理なプロジェクトしか手元にありません。他のテーブルも初期資産は、それほど多くないことが予想できました。これを踏まえると、プロジェクトを実行するためには、行政に助成金を申請するしかないとの結論で、行政に掛け合いに行きました。
ただ、初年度のため、行政にもいきなり2億融資する予算はなく、いったん断念。資源カードやプロジェクトカードの交換で何とかしようと方針転換しました。

1ターン目の最後に、半分お金をだして、分け前を半分貰うということで、交渉成立。この辺は、共同出資的な考えで、良い動きが出来たかなと思います。

3ターンの途中で、目的のプロジェクトを3つ実行できました。ただ、手持ちの札を考えると他と交換もしづらく、これ以上の実行はかなり積んだ状況に陥ります。。。無駄にこのまま時間を費やすより、自分の目的とは違うものを実行して、状況を動かすべきでは?と思い、教育関連のプロジェクトを実行してみました。
思惑通り、どこからも手に入らなかった資源と新しいプロジェクトをゲットして、場が動き始めました。


最終的な、わがまちの状況です。「暮らし」が10とかなり暮らしやすいまちになりました。経済も7で、少し発展していますが、目標の8には届かず。人口と環境は、現状維持でした。


自分の役割であった目標の「仕事と経済」のプロジェクトを5件以上実行は達成できました。

最後に振り返りで、何故「暮らし」だけ達成できたのかとの話となり、行政の方(暮らし担当)の発言が、なるほどなと思いました。

「行政にはジョーカー的なカードとして【増税】があり、【増税】すると1億5000万手に入る。代わりに経済が1落ち込むが、そのお金を元手に、暮らしにかかわるプロジェクトに投資していった」

確かに、1ターン目にいきなり経済が1落ち込んでますね。3ターン目には、さらに1落ち込んでいます。多分このあたりで、行政で増税をして、経済を下げてでもプロジェクト実行のための資金を用意したということだと思います。
そのおかげで、最終的には経済が7まで上がったのではと思います。

人知れず、増税されていたということで、笑いは起きましたが、仕組みとしてよく出来ているなとは思いました。

SDGs2030もですが、このゲームには明確なゴールが存在しません。あえてゴールをあげるなら「全プレイヤーが目標を達成する」ですが、自分の目標だけを見ていてもいいですし、自分の目標は無視して、全体のことを考えてもよいです。一番の目的は、気付きを促し、考えるきっかけにすることです。

個人的には、SDGs2030のほうが、ルールが単純で良いと思いましたが、SDGs de 地方創生の方は、これからの日本がテーマになっており、大人には、考えるきっかけづくりとしては良いかもと思います。

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